Recent reviews by kamᗩboko

売れない映画監督の20年に及ぶ栄光と挫折。
業界の闇に染まり、緩かな堕落に至る過程を描いた
クライム・ラブロマンスな実写作品。

・Unity製
・約22GBの長編作品
・簡単なQTEあり
・フローチャートあり
・映像の早送り、巻き戻しあり
・翻訳の質はイマイチ

映画監督としてのキャリア、業界での地位を築くために
人としての道を踏み外していく……という”代償が伴う選択肢”を
選ばないと先の物語に進めないジレンマに直面する変わった作品。

先の読めない展開が特徴的で、主人公が成功を収めると同時に、
客観的に捉えれば悪い方向に転落していく姿は、海外ドラマ
「Breaking Bad」を彷彿とさせ、確実に破滅に向かっていく
姿から目を逸らすことができない。そんな作風です。

気になった点として、翻訳に難ありです。
公式曰く、ChatGPTで翻訳したそうですが、それすらも怪しい
レベルなので、 翻訳精度に厳しい人にはオススメできません。
（中華フォント、□表記、独特な言い回し、字幕抜け etc…）
主人公は陸遠と表記されるのですが、突然、遠藤！と
表記された際にはちょっと笑ってしまいました。

海外実写ゲーム特有の安っぽさを感じさせないクオリティの高さ。
人間の業の深さと、それに翻弄される人々を生々しく描いた世界観。
それら全てに惹き込まれるような、目を逸らせない怒涛の展開。

すべてが高水準で完成されており、シリアスな展開だけでなく
ギャグとセクシー寄りなENDも用意されているため、幅広い層に刺さる作品です。
翻訳の質の悪さだけが残念ですが、実写ゲームが好きな人は、
騙されたと思ってプレイしてみてほしいです。
とぶぞ。

現時点の注意点

・720p（画面サイズ1280×720）から変更不可能
非公式MODを導入することで解像度の変更は可能ですが、やや問題点あり（後述）

・極稀にセーブデータが破損します
"DAMAGED DATE"と表示され、セーブデータを読み込めなくなります。
ゲーム本編中のセーブデータは、複数に分けてください。
おまけモードのMISSIONSはセーブデータを１つしか作れないので要注意。
MISSIONS NAME "UUDDLRLRBA"

【追記 Nov.22】
11月14日に配信されたVer.1.3.0で上記のセーブデータ破損バグは修正されたようです。
（未確認なので、念のため複数にセーブを分けること推奨します）

・「SKATE BOARDING」は収録されていません
「SNAKE TALES」と「(VR)MISSIONS」は収録されています。
スケボーで遊びたかったので残念です。


▶ 解像度変更MODに関して
https://github.com/Sergeanur/MGSResolutionPatch
任意の解像度に変更できますが、特定の環境下で不具合が発生します。

確認できた不具合
・ムービー前後でブロックノイズ発生
・文章のレイアウトがズレる
・無線画面映像の乱れ
・水中を泳ぐ場面で画面が壊れる
・雷電のポコチンが見えてしまう

【追記 Nov.3】
MODのアップデートに伴い、上記の不具合は解消されました。
雷電のポコチンを拝めなくなってしまったのが非常に残念です。

MOD制作者に感謝。

L1 + R1 or LB + RB

レビューが真っ赤に染まると思うので、仕方なくオススメにしておきます。
フレームレートに不具合が生じている場合は、PC本体の設定をいじる必要性あり。


現時点では最適化されるのか怪しいため、購入を検討している方は様子見推奨らりるれろ


【追記 Oct.26】
高速で動作する場合の対処方法について（公式アナウンス）
https://gtm.you1.cn/storesteam/news/app/2131630/view/3705959047636011519

【追記 Nov.3】
Ver.1.2.2で上記の不具合は解消したそうです。

【追記：VRミッションの実績に関して】
通常版のVRミッションには、「NINJA」が実装されていないので、
インテグラル版でプレイするか、
欧州版「SPECIAL MISSIONS」で挑戦してください。
（北米版は実績取得バグがあるようです）

※インテグラル版の「NINJA」を出すためには、
難易度EASY以上で最高称号を取得する必要があります。
欧州版の場合は、VRミッションの進行度に応じて開放されます。

ゲーム選択画面の一番下の項目が欧州版です。DLしていない場合は、
Steamランチャーから、ゲームタイトル → プロパティ → DLC で
チェックボックスをクリックしてください。

・ゲーム内のマイク機能を使用せず、DiscordなどのVCで代用する場合は
　オプション項目から「ボイスチャット音量・送信チャット音量」を "-10" に変更

・初回起動時、サーバーがEuropaに設定されていることがあります
　オプション項目から「ネットワーク領域」を"JAPAN"に変更
　招待した側のHOST環境に依存するかもしれませんが、ラグが目立つ場合は要チェック

・野良で遊ぶプレイヤーもいるかもしれませんが、言語が通じないとかなり厳しいです
　出川イングリッシュで１面は突破できる可能性がありますが、２面で発狂する可能性大

・テキストチャットはありません。何かで代用したとしても攻略上の実用性に乏しいです
　ハンドサインやジェスチャー機能はありますが、有効に使える場面は限られています

本作はボイスチャットを活用してアトラクションを攻略する２人プレイ専用アドベンチャーゲームです。
シュールでコミカルなステージから、緊張感漂うプレイが要求されるステージまで、
笑いあり、涙ありのバラエティに富んだラインナップが魅力的な作品です。

通常プレイでは２時間前後でクリアできるため、気軽に楽しめます。
ハイスコアクリアを目指す場合は、時間をかけて試行錯誤する必要があります。
カジュアルなプレイヤーには遊びやすく、やりこみを好むプレイヤーには奥深い内容です。

お互いに協力相談しながら、手探りで攻略していくのが醍醐味のゲームなので
アトラクションの詳細に関しては情報を仕入れないほうが楽しめます。

似たようなジャンルのゲームとして、「It Takes Two」が思い浮かびます。
あちらはやや重めのストーリー展開に胸が詰まるような思いがありましたが、
本作にはそのような要素はないので安心してプレイしてください。
（ファンの人がいたら悪く言ってごめんなさい）


いつも足を引っ張るような無能ムーブしかできないけど、
最後まで手を引っ張ってくれてありがとう。

本編の後日談を描いたDLC。
壁を超えた先に待ち受ける未知の存在との邂逅。
プレイヤーは世界の片鱗を垣間見ることになる。

レビューの賛否両論に関しては、リリース直後のバランス調整不足
により相次いだ苦情。さらに、修正アップデートによりバグが追加
されるなど、目も当てられないような状況が続いたことが原因です。

現時点では、ゲーム進行を阻害するような事象は修正され、最適化
されていますが、念のために購入を検討している方はレビューを
ソートして直近のレビューを参考にしていただきたいです。

▶ 過去にあった不具合の一例（修正済み）

・敵の耐久値が高すぎる
・毒ガス兵器の煙幕で敵を視認できなくなる
・最深部で武器を取得すると操作を受け付けなくなり詰む
・敵に囲まれた状態でデバスレーザーを放つと処理落ちフリーズ
・HPバーが一定値から変動せず、回復をしても反映されない
・壁が硬すぎる（最大強化ドリル+DSで1マス削るのに体感10秒）

DLCで追加された新要素に加え、不具合や苦情への対処として
ドリルの性能を強化するパッシブを追加するなど、ユーザーが
ストレスを感じていた部分にメスを入れたような内容となりました。

全体的に難易度が緩和された結果、採掘によるリソース管理と
襲撃までの制限時間のどちらを重視するかのせめぎ合いを意識する
ことが少なくなり、戦略的な要素がやや薄れた印象を受けました。
ゲーム性よりも遊びやすさを優先したものと思われます。

新規追加された武器や装置は強力なものが多く、早い段階でそれら
を入手することが可能なため、スキルツリー強化の解法をある程度
熟知しているプレイヤーは、ドリルを優先的に強化するなど、
最適解に沿ったプレイになりがちなため、あまり新要素を活かせる
ような遊びの幅が少ないゲーム体験となってしまうかもしれません。

紆余曲折あり、リリース直後の初動に失敗した結果として
不評な意見が目立ちますが、問題点は概ね改善されているため
問題なく遊べます。
DLCは、本編とは一味違うゲーム性となっており、
アクション性に特化した手に汗握るような斬新な展開が
待ち受ける新しいWall Worldを体験できます。
価格相応の価値あり。

複雑な家庭環境に悩む少女スミレは、不思議な生き物との出会いを
きっかけに、非日常的な世界に誘われる。彼女のお願いを叶える
「とびっきりの１日」を多感な時期の少女の視点から描写し、
出会いや交流、別れを経て成長していく姿を追体験する物語。

ゲーム内容としては、猫やカエルなどの生き物のお願いを叶えたり、
友達との間に生じた軋轢を修復するなど、様々な選択を迫られます。
スミレが善行を積む。あるいは悪行を重ねることで物語に影響を
与えます。善行を積み重ねることで、より多くの人や生き物との絆を深め、
良い方向へと物語が展開していきます。

人間模様を描く物語性だけでなく、ボードゲームやカードゲーム
などのミニゲーム要素も盛り込まれており、
プレイヤーを飽きさせない工夫が施されています。

また、日本の文化や風景が鮮やかに描かれており、
童謡の「通りゃんせ」が作中歌として採用されていることや、
スミレが”川を渡る”という演出があり、不気味さや神秘性を上手に
表現しています。川を渡るという行為は、スミレが非日常的な世界
への旅立ちや変化を象徴しており、プレイヤーはスミレの冒険の
始まりや、彼女が直面する不思議な出来事に引き込まれることでしょう。

「とっておきの１日」を通じて、出会いや交流の大切さ、そして
別れの喪失感に胸を打たれる内容でした。
思春期特有の劣等感や嫉妬、羨望といった人間関係の悩みを
描いており、スミレが好きな人の前で素直な気持ちに
なれない姿に思わず甘酸っぱい感情が込み上げてきました。

スミレのお願いは７つあり、最後のお願いは「おばあちゃんに会う」
ことです。しかし、彼女の祖母は既に亡くなっており……。
ここから先の展開はネタバレになるため、詳しく言及しませんが、
正直言って耐えられませんでした。

私事ですが、昨年のコロナ禍で祖母が入院し、面会制限が設けられ
ていたので、会えないままお別れすることになりました。
もし、会うことが出来たのなら、どんな会話をしたのかな。
という後悔や申し訳無さが心に残りました。

この物語のラストは、私が理想とする"お別れ"を描いており、
その会話のやりとりに、涙が止まりませんでした。

スミレの成長や経験を通じて、
人生の尊さや大切な人との絆について再認識させられます。
遠い昔に置いてきてしまった感情を呼び覚まし、
亡くなった人の面影や温もりを感じさせてくれる。
いつまでも自分の心にずっと残るであろう作品でした。

「母胎ソロ」とは、韓国の造語「모태솔로」（モテソルロ）を
和訳した言葉です。この言葉は韓国ドラマ「愛の不時着」で登場し、
一部のファンの間で広く知られています。
その意味は「生まれてから一度も恋愛経験がない人」というものであり、
つまり彼氏や彼女がいない歴＝年齢という
“遊びなれていない人”（意味深）を指しています。

平凡なサラリーマンのカン・キモ（２９歳）が、「ソゲティン」
（友人の紹介によるお見合い）でキム・ユミという女性に出会います。
カン・キモは恋愛経験がなく、あまりにも奇妙な行動や言動を取り、
デリカシーに欠けた行動が目立ちます。彼の自信過剰や嘘つきの性格も災いし、ソゲティンは連敗続きです。

プレイヤーは彼の成長と魅力を引き出すために選択肢を選び、
物語を進めていきます。主人公を演じる役者の素晴らしい演技と、
鳥肌が立つような気持ち悪さ（良い意味で）も相まって、
その質の高い演技と映像は、他のインディーズ実写ゲームにも劣らないものです。
物語は選択肢による分岐が豊富であり、主人公の男性に焦点を当てるだけでなく、
お見合い相手のヒロインの隠された過去や関係性の変化も楽しめます。

最初の1時間は主人公の行動に耐えられず、悶絶するプレイヤーが多いかもしれませんが、
何度も失敗し、選択肢を試行錯誤するうちに、不器用な彼に好意を抱くようになりました。

他のレビューでは、「結婚できない男」や「電車男」という作品に
近いと評されています。主人公が魅力的な男性を目指し、
地道に努力を重ねながら恋愛が進展していく様子は、
多くのプレイヤーが感情移入するはずです。

物語はコメディから始まりますが、次第に本格的な恋愛物語へと発展していきます。
結末は多岐にわたりますが、最後には暖かく穏やかな気持ちが湧いてきます。
不器用な主人公の成長と恋愛模様を描き、コメディタッチながらも心温まる読後感を得られる作品です。

本作を映像配信する場合は、一部制限が設けられているため、
事前に内容を確認してください。

大気汚染によって食糧難が深刻化し、国民が過酷な生活を余儀なく
される近未来を舞台にしたディストピアなアドベンチャーゲーム。

主人公は食品検査員として、食品の品質を保証する役割を果たしており、
国家の食糧配給制度の一環として、人々に安全な食料を提供する任務を帯びています。

しかし、主人公は次第にこの管理社会に対して疑念を抱くように
なります。食品の配給が不公平であり、権力者や特権階級の国民が
優遇されていることに気付いたのです。

主人公は自らの疑念を追求するために、社会の裏側に潜む謎に迫ります。
プレイヤーは主人公の運命を左右する重要な選択を迫られることでしょう。

ポイント＆クリック形式でベルトコンベアから流れてくる食品の安全性を確認し、
基準値に満たないものを廃棄する食品検査員として働きます。

プレイヤーは時間内に多くの食品を検査しなければならず、
正確かつ迅速な判断が求められます。食品の重量、消毒状態、色素、細菌の有無など、
様々な基準を確認しながら、安全性を評価します。

仕事の成績に応じて報酬が支払われ、それを使って主人公の衣食住を整えていきます。
報酬を上げるためには正確で効率的な検査が必要ですが、
時には倫理的なジレンマに直面する場面もあります。

仕事、食事、寝るというサイクルが永遠のように続き、
変化の乏しい世界に閉じ込められた主人公を描いたゲームです。
プレイヤー自身も閉塞感や退屈さを感じるでしょう。
しかし、その変化の乏しい世界の中でこそ、
人との触れ合いや些細な出来事がより輝きを増し、
希望を生み出します。
主人公が真実を追求する道を選ぶことで、社会の矛盾や不正を暴き、
人々の意識を喚起することができるかもしれません。

特に印象に残った場面は、主人公が夜空を見上げながらタバコを
吹かし、遠い星々を眺める瞬間です。その時、彼は何を想うのか、
どんな感情を抱くのかはプレイヤーに委ねられます。
彼は近いけれども遠い僅かな希望を追い求めており、
その姿には切なさと共感を覚えました。

全体的に作業感が強く、挫折するプレイヤーも多いかもしれません。
しかし、ゲーム中盤あたりで大きな場面転換が訪れます。
この転換点によってプレイヤーは社会の影の部分を垣間見ることになり、
物語に新たな展開が生まれます。
決して万人受けするタイプの作品でありませんが、
ディストピアな世界を体験できる良作です。

・細菌検査では、微生物を拡大観察するので苦手な人は要注意
・難易度によっては食品検査の工程をスキップ出来ますが、
　物語の展開やエンディングに影響を及ぼすのでほどほどに

本作「Exit the Gungeon」は、スマートフォン向けにリリースされた
アプリの移植版であり、前作とはゲームシステムが大幅に変更されています。

大きな変更点として、見下ろし型視点ではなく、縦横スクロール型のSTGに変更されており、
一定時間が経過するごとに敵を倒したコンボ数に応じて、武器がランダムに変化するという
システムが採用されています（前作での祝福モード）。
そして武器とアイテムによるシナジー効果が廃止されました。

一部のステージでは、自動進行（強制スクロール）になる場面もあり、
ダンジョンを探索するというローグライクな要素が薄まりました。
その結果、全体的に忙しいアクションゲームとなってしまいました。
前作とはテイストの異なる作品となっています。

前作の面白さは、マップを隅々まで探索して、隠し通路を見つけたり、
お金や鍵をどこまで温存するか悩んだり、宝箱ガチャで一喜一憂するなど、
ランダム性に左右されながらも、戦略性があり、
プレイする度に新鮮味を感じられるゲーム内容でした。

しかし、本作ではそういった要素が取り除かれてしまっています。
前作の醍醐味が好きだった方にはオススメできません。

縦横スクロールで足場が限定されているステージが多いため、
敵の攻撃を避けることが難しいです。
さらに、一定時間ごとに銃が変化するため、適材適所な場面で
使いにくい銃に変化してしまった場合、かなり苦戦を強いられるため、
難易度が高い内容となっています。

リリース当初は、この武器変化システムに対して苦情が多かったため、
追加のアップデートで従来どおりの武器を複数所持できるモードが実装
されましたが、武器のランダム性を前提としたゲーム構成となっているため、
うまく噛み合っていないような印象を受けました。

スマホ版の番外編作品が遊べてラッキー程度の期待値で
プレイすると意外とハマるかもしれません。
いつか前作の正統後継作が開発されることを願います。

カルト教団に入信した甥を救出するために、彼らの活動拠点である
「フリーダム・タウン」に潜入する見下ろし型のアクションゲーム。

フリーダム・タウンは排他的なコミュニティであり、外部からの
来訪者は受け入れません。住民は武装しているため、プレイヤーは
彼らの目をかいくぐりながら物資や情報を収集し、目的を達成する必要があります。

ゲームの流れとしては、フリーダム・タウン内の情報提供者と
接触し、甥の居場所を聞き出して一緒に脱出することが主な目標と
なります。プレイヤーの行動次第で物語の結末が大きく分岐し、
25種類のエンディングが存在するため、リプレイ性が高いです。

プレイするたびにランダムに構成される要素があり、新鮮味を感じ
ることができます。探索中に得られるアイテムには、検問されて
意図的に改ざんされた手紙やSOSが込められた手紙など、
この教団の異常性が垣間見えるものがあります。

この作品は、「人民寺院事件」など実際に起きた事件から着想を得て
おり、リアリティを追求した作品です。時代背景を意識したレトロ
調なゲームデザインは悪くないと思います。しかし、プレイした感想
としては、カルトの皮を被ったゴリゴリのステルスアクションゲームでした。
特に高難易度になると、銃を持った信者に永遠と追いかけ回されることがあります。
カルト要素に期待しすぎると、これじゃない感が否めない作品です。