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Showing 11-20 of 47 entries
19 people found this review helpful
45.1 hrs on record
「なぜ、侍道外伝は賛否両論なのか」
不評の理由に焦点を当てたレビューとなります。

▶ 鍛冶屋とダンジョンを往復するだけの単純作業
本作では借金の返済が目的となっています。プレイヤーは異界と呼
ばれる不思議のダンジョンに潜り、集めた素材を鍛冶屋で販売して
お金を稼ぎます。しかし、ダンジョンの内容は単調であり、素材集
めの繰り返し作業になってしまいます。初めは緊張感がありますが、
刀を強化していくと次第に手応えのないダンジョンとなり、クリア
済みのダンジョンを何度も周回する必要があります。これによって
プレイヤーの興味を失わせる要素となっています。

▶ 緊張感と戦略性に欠けるローグライク
本作は不思議のダンジョンというローグライク要素を持っています
が、敵の種類が少なく攻撃のバリエーションが乏しいため、戦略性
に欠けています。敵の行動パターンや特殊な攻撃が少なく、基本的
には強化した刀で敵を殴るだけの内容となっています。これによっ
てプレイの単調さと物足りなさを感じました。眠たくなるような
BGMも相まって、プレイヤーをジワジワと追い詰めていきます。

▶ 自由度と遊び心が失われた侍道
歴代の侍道シリーズでは、各勢力に味方することによって物語の
展開が変化したり、テクニックや戦略的要素が重要な要素と
なっていました。
しかし、本作ではそれらの自由度や遊び心が失われており、
繰り返し遊びたくなるような内容ではありませんでした。
また、本作の舞台となる六骨峠は、初代に登場した赤玉党や
黒生家など馴染みのあるキャラクターが登場しますが、
実際にその拠点に移動することはできず、鍛冶屋がある
荒れ地のマップ1ヶ所のみが行動可能範囲というロケーションの狭さに絶望します。

▶ 総評
個人差はありますが、借金の返済にかかるプレイ時間の目安は
およそ20時間です。レビューを投稿した方々のプレイ時間が
20時間前後の場合、借金の返済が完了して力尽きた可能性が高いです。
エンディングを迎えた瞬間の”開放感”と”虚無感”は半端ないです。

このゲームは借金返済の壁を乗り越えてからが本編という印象もあります。
クリア後に解放される99Fのダンジョンは手応えがありました。
しかし、その解放には再びお金を稼ぐ作業を続けなければならず、
味のないガムを永遠と噛み続けるような気分になります。
サンクコストの沼に嵌らないためにも、このゲームには手を出さないというのが正解です。
(いつか侍道5が販売されることを切に願い、
線路の上に簀巻き放置されるのを覚悟の上でのサムズアップです)
Posted 9 June, 2023. Last edited 9 June, 2023.
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6 people found this review helpful
7.0 hrs on record
「夢が、もう間もなく終わる」
見知らぬホテルの一室で目覚めた主人公は記憶が欠落しており、
状況を把握しようと室内を探索すると、浴室には両手を縛られた
女性がいた。ふとテレビ番組に視線を向けると、「カラキマコト」
という主人公と瓜二つの容姿をした連続殺人容疑の指名手配犯が
報道されている。主人公は異常な状況に巻き込まれていることを
察知する。その時、部屋のドアが激しくノックされる。
警察官を名乗る人物が訪問してきて、動揺する主人公。
警察官との押し問答の末、銃声と共に主人公の意識は遠のいていく。

主人公が過去や真実を解き明かすために奮闘する姿を描いた、
魅力的な映画体験を提供するノワール風のサスペンス実写ゲーム。

記憶喪失の主人公の視点で物語を進めながら、重要な選択や推理を
行います。ゲームは非常に短い時間内に展開されますが、その短さ
が緊迫感と緊張感を高めています。プレイヤーは時折表示される
選択肢を選び、その決断が物語の進行や結末に影響を与えます。
繰り返される惨劇の末に、不可解な出来事の真相が明らかになります。

▶ 総評
映画のような迫力ある演出に加え、本郷奏多、栗山千明、梶裕貴
(敬称略)を始めとする豪華なキャスト陣が、物語に深みを与えて
います。鮮やかな映像と音楽に包まれながら、興奮と緊張感を
味わうことができる実写作品です。

しかし、ゲームとしての自由度はあまり高くないと感じました。
理由として、選択肢は基本的には二者択一に限られており、
複雑な分岐も存在しないため、ゲームとしてのボリューム不足感が
否めません。(誤った選択肢を選んだ場合は即ゲームオーバー)
本作は「ループもの」であるため、同じシーンの使い回しが多く、
セリフは若干変化するものの、ロケーションの変化に乏しいため、内容が短く感じてしまいます。

早ければ2時間以内にクリアできる内容であり、
価格も2,000円するため、他のインディーズ実写作品を数本購入
したほうがお得な気がします。(ちなみにCS版の定価は4,000円です)

ただし、キャスト陣に惹かれるのであれば購入を検討するのもありです。
個人的には梶裕貴さんの個性を活かした配役でないのが悔やまれます……。
おまけ要素の佐藤二朗さん演じる「みのけんニュース」は抱腹絶倒間違いなしです。

▶ 注意点
本作を映像配信する場合は、一部制限が設けられているため、
事前に内容を確認してください。
過去に開発会社から告訴され、示談に至った配信者がいます。
Posted 9 June, 2023.
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8 people found this review helpful
10.8 hrs on record
「Haere rā」
世界が刻一刻と終わりに近づいていく中で、
ファインダー越しに退廃していく風景をフィルムに収めていく。
ローポリ1人称視点の終末系撮影ゲーム。

「フォトバウンティー」と呼ばれる対象の撮影が目的であり、
「7羽の鳥」や「5つの星条旗」など、ステージごとに指定された
被写体をフィルムに収めることで物語が進行していく。

写真というテーマに重きを置いた作品であり、
物語において登場人物たちの会話やセリフなどは一切存在しない。
ただ目の前に広がる風景を切り取りながら、世界観を考察し、
世界の行く末を見届けていく。

なお、”青いペットボトル”は絶対に写真に含めてはいけない
被写体なので要注意。その理由は……。

▶ 良い点
・ISO感度やシャッタースピード、絞り値などカメラに凝っている
・撮影技法などカメラの仕組みに興味が湧く
・サイバー、パンク、ロック、ジェノサイドな世界観

▶ 悪い点
・被写体の指定など、ノルマ的な要素があり自由度が低い
・FPS酔いしやすい人は要注意
・世界観およびゲームシステムの説明が不足気味

▶ 注意点
実績「スピードラン」を解放できないバグがあります。
どうしても解決しない場合は、旧バージョンにダウングレード
してください。(詳しくはコミュニティハブのガイドを参照)
※DLCやクリア後の追加モードは解放条件に関係ありません。

▶ 総括総評
結論から言うとパズルに近い要素が多めです。
例えば、「5つの星条旗」を撮影するというタスクでは、
壁に飾ってある星条旗、お子様ランチの旗、お姉さんのパンツの
柄(星条旗)などを同時にフレームに収める必要があり、
どの角度から撮影すれば良いのだろう…と試行錯誤するのが大変でした。

被写体を指定しないとゲームが成立しないのかもしれませんが、
個人的には、特に目的もなくブラブラと気に入った風景を
撮影したかったので、ちょっとこれじゃない感が強かったです。
「ウォーリーをさがせ」のような探索ゲームである。
という例を引き合いに出した方のレビューが秀逸でした。

気になった点は、なぜ世界が”こうなってしまったのか”
という状況を把握するための情報量が少ないため、
EDを迎えても、釈然としないモヤモヤが残りました。
プレイヤーに想像の余地を残すタイプの作品といえば
聞こえは良いのですが、悪く言えば雰囲気ゲーです。

Lo-FiなBGMに鬼ポップで激キャッチーなサブカル系激推し
雰囲気が漂う尖った作品なので、好き嫌いが分かれそうですが、
やり込んでいくと撮影技法が充実し、撮影の自由度が増していく
スルメゲー的な側面もあるため、”写真を撮る”のではなく、
“カメラをいじる”ことが好きな人にはオススメできます。
仲間たちとの他愛もない日常を淡々と描きながらも、
退廃的で不穏な雰囲気を常に漂わせる作風は一見の価値有り。
Posted 16 May, 2023.
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22 people found this review helpful
3.2 hrs on record (3.2 hrs at review time)
「変則的倒叙ミステリー」
概要は省略し、知っておくと便利なことだけを抜粋。
音声認識でプレイする場合は、スタート画面のオプションから
変更可能。テキスト入力欄の横にあるマイクボタンを長押しして
から元気よく発声してください。
(※PCスペックに依存。なんだか恥ずかしいので非推奨)

【Pause キー】:他のプレイヤーが入力した単語の統計を表示
【↑・↓キー】:過去に入力した単語を出力
【左Ctrl キー】:テキストの早送り
【右Ctrl キー】:UIの非表示。背景をチェックしたい人向け

▶ 問題点
・言葉の認識判定が怪しい
「○○を調べろ」はアウト。「〇〇を調べ ”る”」はセーフ。
机の上にメモが置いてあるシーンでは、「メモを調べる」ではなく、
「机の上を調べる」でないとイベントが進まないなど
言葉の言い回しや、微妙な認識のズレに苦労します。

「最新式のプッシュフォンですね。」というセリフに対して、
「かけろ」とテキストを入力すると、
「(出)かけろ」と誤認識されてしまい、場所移動がおこなわれるなど
プレイヤーの意図にそぐわない行動が多発します。
AIを売りにしていますが、現時点では会話が成立しないです。

・特定の単語を入力するのがつらい(おま環)
作中の登場人物である「由貴子」という単語を入力する際に、
一発で変換できない環境のため、由紀子と変換してから
2文字消して貴族と入力、族を消して子……みたいな作業を
繰り返すのがつらかったです。
ちなみに、ひらがなでは人物として認識されません。

余談ですが、「俊之」という登場人物が存在します。
このゲームの登場人物・地名には読み仮名やルビが存在しないため、
読み方がわからないと単語として入力できずに詰みます。
(詰みました)

・現代とのミスマッチ、既プレイを前提としたシステム構成
本作をプレイしていて一番難解だった場面は、取り調べ中に
狼狽する容疑者を殴る(叩く)ことで供述を引き出す場面です。
これは法的観点や供述調書として問題が…というのは置いておきますが、
この行動は原作をプレイしたことがある人でないと思い浮かばないと思います。
(原作ではコマンドとして表示されます)
せめてカツ丼を出すと供述してくれるとか
マイルドな手段に修正してほしかったです。

▶ あとがき
本来実装される予定だった自然言語生成のAIが大人の事情で
排除されたことや、操作性の悪さが指摘されており、
現時点で【非常に不評:305】という無惨な光景が広がっています。

「ポートピア連続殺人事件」という作品の名前や、
犯人は知っているけどプレイしたことがない。
という方も多いのではないでしょうか。

犯人の犯行動機や、事件の背景など
捜査の過程を経て、悲しみの惨劇を体験してみてください。

往年の名作が無料で遊べるという一点のみを評価させていただきます。
現時点では限りなくストレスフルな作品です。
Posted 25 April, 2023. Last edited 25 April, 2023.
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32 people found this review helpful
6 people found this review funny
22.2 hrs on record
「きたねえどうぶつの森」
旧き信仰の地。生贄に捧げられた子羊の断末魔は、この地に眠る封印されし者を呼び覚ます。
我を崇めるカルト教団を設立し、我に敵対する異教徒を滅せよ。という条件と引き換えに
第二の生を授かった子羊の活躍を描く。ちょっとブラックユーモアなゆるかわ物語。

▶ システム
・「聖戦」という見下ろし型のダンジョンを攻略していくローグライクアクション
・カルト教団を拡大していく拠点作り
・信者の生活管理(洗脳)

聖戦は「Enter the Gungeon」や「The Binding of Isaac」のようなゲームシステムと
なっており、自動生成されるダンジョンを攻略し、拠点を拡大するための資材や信者を
集めながら、最深部にいるボスを倒すことが目標となります。難易度は控えめです。

カルト教団拠点作りは、ダンジョンから持ち帰った資材で施設や農作物など、
教団運営に必要な設備を自由に配置することができます。
信者に設営の命令を与えるなど仕事を割り振ることも可能です。
彼らには睡眠や空腹、信仰度といったパラメーターが設定されており、
適切に生活を管理してあげないと病気になって死んでしまう者や、
教団に反する離反者として迷惑行為をする者などペナルティが発生します。

信者の信仰度が貯まるごとに拠点内の新しい施設や、聖戦における武器・スキルなど
新しい要素をアンロックすることが可能となります。ゲームを円滑に進めていくために
明るい時間帯は拠点内の設備を信者と共に開拓し、夜になって信者が寝静まった頃に
ダンジョンに潜って資材や信者を調達する。そして朝になったら信者に朝食を用意する…
というサイクルでゲームを進行していきます。単純なサイクルですが拠点の拡大に伴い
新しい要素がアンロックされていくワクワク感があり、かなりの中毒性があります。
信者が増えれば作業効率はあがりますが、人数に応じて食料問題や信者間のトラブルなど
難しい問題に直面する場面が増えていきます。信者の生活を管理(洗脳)するという
このゲーム特有のブラックユーモアな要素で問題を解決していきましょう。
離反者は粛清 or 再教育。食料に困ったら離反者の肉 or ウンチ。
みんなが裏切りそうになったら怪しいキノコで幸せに or 賄賂で買収。
という感じに自由度の高い教団シミュレーターとなっています。
穏やかな教団にするか、荒々しい教団にするかはあなた次第です。
紹介しきれない要素が多いので、詳細は君の目で確かめてくれ!

▶ 評価点
・やめどきが見つからない資材集め→拠点拡大サイクルの中毒性
・プレイヤーによって教団の運営方針を選べる自由度の高さ
・信者の見た目や名前をカスタマイズできる。ゆるふわでかわいい

▶ 問題点
・教団拠点の運営がある程度軌道に乗るとつまらなくなる
・聖戦システム全般が単調気味でボリューム不足
・イベントや病気、寿命で信者の命が失われるため、住人ロスに抵抗がある人は要注意
(次第にプレイヤーのエゴで信者を処刑するようになっていきます…)

▶ 総括総評
カジュアルに遊ぶ分には楽しめる。
ガッツリやり込むタイプの人には物足りなさを感じるゲームボリューム。

ゲーム中盤あたりまでは、コツコツと資材・信者を集めていき、教団拠点を
みんなで拡大していくというお祭りのような一体感がとても心地良かったです。
常に何らかの問題が発生し、それをどのように解決するか頭を悩ませ
試行錯誤する過程がこのゲーム最大の魅力であり、夢中になれるポイントです。
ブラックユーモアな演出も相まって、夢中になれる=洗脳状態のような心理的感覚に
陥っていたのかなと思い返すと、まさにカルト教団のような雰囲気を演出できています。

ゲーム終盤に近づくにつれて、熱中していた教団拠点作りは運営が安定してしまい
プレイヤーが担っていた役割のほとんどを信者に任せることが出来るため、
快適に生活できるようになった代わりに、どこか心に穴が空いてしまったような
喪失感がありました。この時点で聖戦の攻略を補助する要素は、ほぼアンロックされて
いるため、ゲームクリアのために教団拠点を拡大する必要性がなくなってしまいました。

聖戦は冒頭で例として引き合いに出した名作タイトルがありますが、
ローグライクアクションとして比較すると、本作はかなり劣ります。
自由度や戦略性が薄く、ヒット&アウェイでゴリ押しするだけの戦法で終わります。
ダンジョンに潜るたびに新しい発見がある…みたいな新鮮味が欲しかったです。
本作のメインは教団作りであり、聖戦はオマケのような扱いなのかなという印象を
受けました。Devolver Digitalの作品なので、ちょっと過度な期待をしすぎました。

まとめると、聖戦をクリアし、教団拠点拡大の必要性がなくなった時点で
やることがなくなります。ローグライクアクションを重視して購入すると、
ボリュームの無さにがっかりします。
本作は教団運営シミュレーターがメインであり、「どうぶつの森」を永遠と遊び続けるような
自分なりの目的や楽しみ方を見いだせる方は長く楽しめると思います。

ボロボロな批評ですが実際は、実績を全部埋めるほど夢中になって遊べる作品でした。
カジュアルにサクッと遊びたい方や、Devolverってなに?というユーザーであれば
きっと気に入ってもらえる作品です。
信じる者は救われます。ゲームの売上が伸びます。次回作も開発されます。信者よ盲目であれ。
(拡張DLCが開発されますように……)
Posted 18 January, 2023.
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14 people found this review helpful
6.5 hrs on record
「朱色に染まったコンパス」
死後の世界から蘇るため、死神から与えられた試練に挑む7日間の物語。
主人公の試練は、コンパスの針が導く場所へ到達すること。
そして、このコンパスを作動させるためには、誰かの死が必要となります。

主人公と同じ境遇におかれた人物たちとの出会い。
各個人に与えられた試練のために協力するのか、それとも・・・。
あなたの選択によって物語が分岐していく、
終末系アドベンチャー・ノベルゲームです。

▶ システム
「LINE」のようなメッセンジャーアプリ上で展開されるゲームシステム。
会話の選択肢によって、登場人物たちの好感度が変動します。好感度に応じて
味方をしてくれる人物が敵対することあり、あなたの選択が主人公の運命を左右します。
シナリオは全実績を解除しても、到達できていないフローチャートが存在するほど、
多岐に枝分かれする内容となっています。善と悪が交差する世界で、プレイヤーは
どちらを優先するのか。プレイするごとに意外な展開が待ち受けています。

▶ 周回するごとに明らかになる真実
試練の参加者は生前の記憶を失っており、物語が進むごとに記憶を取り戻していきます。
主人公は、なぜ命を落としたのか。試練を乗り越えて蘇ることができたら
どうしたいのか。それらを物語の中で見つけなければなりません。
ぜひ、様々な人物と親交を深めてほしいです。
物語を読み進めるごとに、参加者たちの複雑怪奇な人間模様。
そして、隠された過去が明らかになります。

▶ 評価点
・善悪の価値観が揺らぐシナリオ
・極限状況下で人としてどうあるべきかという心理的駆け引き
・サクッと遊べる程度のボリューム

▶ 問題点
・セーブスロットが機能していない(実質オートセーブの1本)
・和訳が怪しい箇所あり
・テキストベースで構成されており、イラストは少なめ

▶ 総括総評
人間の善と悪という二面性が主要なテーマとなっており、
道徳的な判断基準。そして、その行為の報いを描いた作品。

退廃的な雰囲気が漂う世界観を舞台に、テキストベースで進行する物語は、
どこか静かな儚さを感じさせるものがありました。
善と悪の価値観が問われ、緊張感が伴う心理的駆け引きを要求されるなど、
物語の没入感も心地よかったです。
舞台設定はやや重めですが、”全年齢向き”かなという内容でした。

周回プレイを前提としたシナリオ構成となっており、
登場人物たちのバックボーンが次々と明らかになると同時に、
物語の解釈がガラッと変わっていく展開が面白かったです。
1周あたり、約1時間でクリアできる内容となっています。

フローチャート上から任意の物語を読み進めることが可能です。
しかし、既読スキップのような機能が存在しないため、
文字送りが遅く、周回プレイを億劫に感じる方もいるかもしれません。
セーブスロットは、実質オートセーブのみとなっているので要注意です。

善と悪は表裏一体。ちょっと考えさせられる作品でした。
Posted 21 July, 2022.
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29 people found this review funny
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57.1 hrs on record
「PC版だけの便利機能とムービーバグの回避方法」
既に他機種でプレイ済みだけど、もう1度やってみようかな。
という人向けの解説です。PC版は倍速機能や自動回復など、
サクサク進めることができる便利機能が追加されています。
(各便利機能はF1~F5キーを押すと適用されます)

▶ ムービー中に画面が緑色になる不具合について
結論から言うと、ゲーム画面をフルスクリーンからボーダーレス
ウィンドウに変更することで回避できました。
(起動時のランチャー画面からCONFIGで変更可能)
レビュー欄のタブからプレイ時間100時間以上のレビュワーに
限定すると、この不具合の詳細を述べている方がいるので、
解決しない場合はそちらをご参照ください。

X-2のエンディングで不具合が発生した時は膝から崩れ落ちました。
(オートセーブなのでラスボス戦は回避できました)

▶ [F1]倍速機能(2倍速、4倍速)
移動中と戦闘中のゲームスピードを2倍速・4倍速に変更することが可能です。
注意点としては、ボス戦で発生する特殊な会話がスキップされます。
ギミックを駆使する戦いではヒントを得られなくなるため、
重要な戦いでは解除しておいた方が無難です。

▶ [F2]強化機能(自動回復)
戦闘中にターンが回ってくると自動でHPとMPが回復します。
Xではオーバードライブゲージが常にMAXとなります。
状態異常や死亡状態は回復しませんが、かなりの壊れ機能です。

▶ [F3]エンカウント率の変更
敵との遭遇率を、なし・普通・多い の3段階に調整可能です。
宝箱を探すために隅々までマップを探索したいときや、
倍速機能と組み合わせて高速でレベル上げをするなど、
場面に応じて様々な使い方ができます。雷を避けたい人にオススメ

▶ [F4]オートバトル
戦闘時に自動で戦闘をおこなってくれます。
各キャラクターは通常攻撃のみをおこなうので、
ユウナ・ルールーなど物理攻撃が弱いキャラクターは要注意です。

▶ [F5]HUD非表示
移動中に表示されるミニマップや字幕、戦闘中のパラメータなど
表示物を隠すことが可能です。戦闘が始まって何もコマンドが
表示されない場合は、おそらくこれがONになっています。

▶ パラメーターチェンジ
Escキーを押すと、パラメーターチェンジという項目が表示され、
全てのアイテム取得・全てのアビリティ取得・ギルMAXという
機能が使えます。これは上述した便利機能とは違い、
一度ONにしてしまうと元に戻せないのでセーブデータを分けてください。
Steamの実績取得にも影響を及ぼします。
装備品・召喚獣・X-2のドレスフィアは解放されませんが、
調合でゴリ押しできるようになるので、
エンドコンテンツを攻略したい人向けの機能です。

Escキーを押すと展開されるメニュー内にF1~F5の便利機能が
解説されていますが、コントローラーでプレイし、Alt+F4で
シャットダウンするユーザーはこの機能に気が付かないので
紹介文としてレビューを投稿させていただきました。

▶ 注意点
X-2は3~4時間ほど続けてプレイしていると、
戦闘中に強制終了してしまうことが何度かありました。
長期戦が予想される戦闘に挑む際は、一度再起動しておいたほうが良いかもしれません。

▶ あとがき
”何か”の影響で本作品に興味を持った方が多いのではないでしょうか。
例の騒動はファンの間では賛否両論ありますが、作品の知名度を上げ、
新規ユーザーの獲得に貢献したので、決して悪いものではなかったと思います。
某アニメのファンの方々には申し訳ないです。

ワッカの”ナギ節”は短い期間ではありましたが、
昨今の世界情勢に伴う暗いニュースを吹き飛ばし、
くだらない騒動で一喜一憂できるという、
つかの間の平和を感じることができて本当に嬉しかったです。
人気投票53位でも、私にとってのワッカはオンリーワンです。
”ありがとう”
Posted 23 June, 2022. Last edited 23 June, 2022.
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9 people found this review helpful
10.3 hrs on record
「終焉へのカウントダウン」
突然変異し、凶暴化した人々で溢れかえるホテルを舞台に、
ホテルの最上階に宿泊する男性が地上を目指し
命がけの脱出を試みるサバイバル・ローグライク作品。

▶ システム
ランダム生成されるホテル内をポイント&クリックで探索し、
各部屋から食料や武器の素材となる物資を調達します。
体力・空腹度というステータスがあり、敵との戦闘によって
体力は低下し、エリアを移動するごとに空腹度は進行します。
敵との戦闘から得られる経験値によってステータスを強化し、
戦闘を有利に進め、装備できる武器の種類を増やすことが
可能です。しかし、回復に使える物資には限りがあるため、
"いかに敵をやり過ごして物資を調達するか" という判断が
重要となります。

▶ 一進一退の攻防戦
ゲームが進行するごとに敵が強化され、物資は徐々に枯渇する
(物資が欲しいけど、敵と遭遇したら体力が危ない…!)
というジリ貧な状況へと追い込まれていきます。
地上に近づいてきたら探索は諦めて、手元に残る物資を頼りに
強引に出口を目指すべきでは…?という
"攻めるか引くか" の緊張感ある駆け引きが展開されます。
ゲームオーバーとなった場合は全て最初からやり直しなので、
地上へ近づくごとに緊張感が高まります。

▶ 評価点
・1時間ほどでクリア可能な気軽に遊べるボリューム
・戦略性と運要素の絶妙なバランス
・終末感の漂う世界観

▶ 問題点
・敵と物資の配置はランダムで決まるため、運が悪いと詰む
・戦闘システムは単調であり、ゴリ押しするか逃げるかの二択
・ゲーム開始時に選べる特殊スキルの和訳が曖昧で理解が難しい

▶ 総括総評
ゲーム内容はシンプルで、ランダム性に左右される側面もあるため、
プレイするたびに新しい発見があり、試行錯誤で時間が過ぎていく作品。
グロテスクな姿に変わり果てた人々や、悪い想像を掻き立てるテキストの
存在が狂気に満ちた世界を演出しており、終末感の漂う内容となっています。

ゲーム中に取得できる物資には限りがあり、種類もランダムで決まるため、
「お腹が減ったけど食べ物がない!」「敵がいるけど武器が拳しかない!」
といった偏りが生じて不利な状況に陥ることもありますが、物資の探索結果に
一喜一憂する瞬間は、ローグライクならではの醍醐味です。
困難な局面をどのように回避するかという戦略性も必要とされており、
試行回数を重ねるごとに効率的な行動をとれるようになります。

本作はマルチエンディングとなっており、初めて出口へ到達した瞬間は
衝撃的な終わりを迎え、お口がポカーン(º ⌓º )となりました。。。
実は繰り返しプレイすることで、この物語の意外な真実が明らかになります。
これ以上はネタバレになるので避けますが、
こういう独特な余韻を残すタイプの作品は結構すきです。

セール時最安値120円
Posted 29 May, 2022.
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2 people found this review helpful
16.0 hrs on record
「COOPプレイでのマッチング不具合に関して」
ゲーム参加者が所持(適用)しているDLCの有無によって、
ルーム接続に失敗する事例に関して。

具体的には、
「Borderlands 2: Commander Lilith & the Fight for Sanctuary」
というDLCをHOST側が所持。参加者側は所持していないため、
ルーム接続に失敗するという事象でした。
(※上記DLC以外は、双方ともに所持しており適用済み)

解決策として、HOST側がSteamのランチャーから
上記DLCの適用欄のチェックを外すことで解決しました。

他のDLCでも同様の不具合が発生するのかは不明ですが、
ルーム接続に失敗する場合は、各参加者が所有・適用している
DLCを確認し、HOST側が適用しているDLCと同様の環境に
設定することで解決します。


注意喚起として、あえてオススメしないに設定しておきます。
Posted 24 May, 2022.
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19.3 hrs on record
「悶 絶 地 獄」
2010年にPSPで発売された同作の移植版です。
解像度の向上、謎解きHINT機能の実装など、
システム面が改良されています。

舞台は近未来。とある事情から地上に住めなくなった人類は、
地下の居住空間で生活しています。そんなある日、”異変”が発生し
居住空間の崩壊が始まります。極限状況のなか、孤立してしまった
5人の少女たちは生き残るために…といったSF寄りのお話です。

ゲーム本編は、登場人物の葛藤を描いたアドベンチャーパート。
危機的状況に陥り、そこから脱出する、謎解き脱出パートという
2種類の内容で構成されています。

ゲームの特色として、物語の時系列ごとに
選択したキャラクターによって、
物語の展開が大きく分岐していきます。

ゲームのメインは、ポイント&クリック形式の脱出パートです。
これが最大の問題点なのですが、謎解きの難易度が高く、
理不尽な出題傾向が目立ちます。

・ゲーム外での事前知識がないと解けない問題
・有益な手掛かりが与えられず、複数パターンを総当たりする問題
・背景と同化していて、視認しにくい重要調査箇所

問題を解くプレイヤー側の視点を考慮していない内容が多く、
「謎が解けたぞ!やったー!」ではなく、
「や、やっと解放された……」という気分になります。

PSP版が発売された当初は、多くのプレイヤーが頭を抱えて
攻略サイトを駆け巡り、
「こ の 攻 略 サ イ ト に は 開 発 者 が い る」
という噂が立つほど、素人では解けない出題内容でした。


登場人物たちの極限状況下での葛藤。
対立・衝突を繰り返し、徐々に疑心暗鬼に陥っていく様子は
恐怖と緊張感が伝わってくる読み応えのあるシナリオでした。

謎解き・脱出ゲームに自信がある人ほど、心が折れる内容なので、
ぜひとも後世に語り継いでほしい迷作です。
Posted 24 May, 2022. Last edited 24 May, 2022.
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