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0.8 hrs on record (0.7 hrs at review time)
日本人制作者によるホラーゲーム。作者によれば30~60分程度のボリューム。V1.0.1でのレビュー。

(24/06/27更新) V1.1.0のアップデートによる変更箇所を修正。なおこのアップデート前にゲームを一度でも起動した事がある場合、セーブデータのフォルダを削除して新規状態にする必要がある。場所はパッチノートを参照(このフォルダはWindowsの隠しフォルダを表示する設定にしておかないと見えない)。


惨殺された死体だらけの凄惨な屠殺場から脱出する事が目的のホラーで三人称視点を採用。追っ手となるのは父とその娘でプレイヤーキャラクター側に攻撃手段は無く、逃走アクションと物陰に隠れるステルスで切り抜ける事になる。ジャンプスケアは軽度な物が数回あるのみで全体的に怖さはあまり無い。

特徴は過度なゴアやバイオレンスで、バラバラになった人体が転がっていたり拷問された遺体が有るなどグロ度が高め。他の捕獲者の殺害シーンの演出も多い。CEROではレーティング的にアウトとなるであろうシーンも一部含まれる。有名所では『Outlast』が連想されるが性器の露出表現などは無し。その残虐さが個性となっておりゲーム中では一番評価出来る点と言える。この手の雰囲気が好きな方にはお勧め。

逃走パートは簡単では無いが、難易度は2種から選べるし死んでもオートセーブの間隔が短いのでストレスは少ない(カットシーンはスペース長押しでスキップ可能)。1箇所だけ時間制限の有る中でクリアに必要な情報を見付け辛いシーンが存在しておりそこは改善要(必要な情報へのUseキーの範囲が狭いので見逃し易い)。現状ステルス追跡時のAIにはやや問題が在り、屈み(このゲームでは伏せ)で見付かり難くなる設定なのだが攻撃を受けている際に伏せてもそれでこちらを見失ってしまったりする。そんな穴も存在するが全体としては易し過ぎず難し過ぎずでバランスは丁度良いのではないか(ノーマル難易度)。

必要なアイテムをマップ内から探し出して来るという普通のスタイルでアイテムはハイライトされるので解り易い。だがマップ内は暗い場所が多く、また明るさを上げても暗いと設定されている場所は暗いままで見えないという設定(フラッシュライトの類は無し)。内部はある程度は広く見た目も似ているので慣れるまで迷う恐れはある。


明るさ, ヘッドボブ, モーションブラー, 画面ノイズは設定可。一方で要望が特に多いマウスのY軸反転とKB操作キーの変更には対応していない。
※V1.1.0にてマウス反転の設定が追加

フレームレートは30と60の切り替え式。フルスクリーン, ウインドウ, ボーダーレスフルに対応。

FOVは固定で変更不可。可変要望はほとんどのゲームで出るものだが、特にホラーの場合見せ方にも影響するので制作側としては可変にはしたくないという事情もある(敵をアップで見せたいのでカメラ位置を出来るだけキャラクターの近くに固定する等)。ただ問題に感じる所もあり、三人称なので壁等を背にした際にカメラ位置がオブジェクト内に入り込むのを避ける為に肩越しなどへと移るのだが、狭い屋内なので周囲を見渡した際にこのカメラ位置切り替えが頻繁に発生して見難いという状況は発生していた。

※V1.1.0にて以下の光の明滅をオフに出来る設定が追加
 留意点として他の方のレビューでも複数指摘されているのだが、ゲーム内に不規則な光の明滅が発生する箇所が有る(序盤の限られた箇所のみ)。それに対して光敏感性発作に関する注意喚起を強化したという対策も出ているのだが、正確には「これまで他のゲームでは光の明滅において何の問題も無かった人であっても、何等かの障害発生の恐れがあるレベルの明滅」なので注意が必要である(光敏感性発作の自覚がある人はプレイを控えてというだけの話ではない)。具体的には画面を見つめていられないのでプレイ出来ない, 気分が悪くなるといった件。

インディーズのホラーでは広告宣伝費などはまず無いので、動画実況により存在を知ってもらったり話題を集めたりが重要視されている。そんな中でこういう問題が在ると、視聴者数が多くなるほどその明滅による障害を訴える人が出る可能性は当然高くなる。そうなると、自分の動画視聴者にそんな問題が起きては困る, 自分自身に障害が発生してプレイ出来ない, そのパートを編集してから公開する必要が発生し面倒といった理由から動画公開を躊躇する配信者が増える恐れがある。作者からは「ホラー表現の一部なので変更するのか等は今後検討する」というコメントが見られるが、この大きなデメリットを考慮すると対応した方が良いのではないかと感じる(この件を修正したストリーマーモードみたいな描画設定が選べる等)。


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Posted 19 June. Last edited 27 June.
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2.7 hrs on record
このゲームに関してよく知らないという方向けにその歴史を簡単に振り返ってみる。

『Last Year』はElastic Gamesが開発した5vs1の非対称型対戦ゲーム(対戦専用でシングルプレイやCo-opには非対応)で当初の名称は『Last Year: The Nightmare』。このジャンルの黎明期(2015年頃)にホラー物として『Dead by Daylight』『Friday the 13th』と並び話題になっていたタイトルである。

しかし開発の遅れによりこの両者に対して発売に大きく差を付けられてしまい徐々に話題性も低下。それでも当時新進企業として大躍進していたDiscordがゲーム販売事業にも乗り出す事になり、その目玉機能'First on Discord'(90日間先行独占)の初代ラインアップ中の一つとして遂に2018/12にリリースされた。

スタート時におけるゲーム自体の評価は良かった。しかしDiscordのゲーム販売事業の方はサッパリ話題にならずに失敗し(1年で販売事業自体が終了)、それ故にゲームの露出度(話題性)は限定的に。それでも90日の限定が終わってSteamで解禁されればそれを待っていた多数のユーザーが流れ込んで盛り上がるはずという期待があったのだが、追加コンテンツの充実を理由にリリースは延期されて情報も少なくなり結局Steamで販売されたのは2019/12になってから(名称は『Last Year』に変更)。ここで大きく間を開けて盛り上がりに水を差したのがかなりのダメージとなってしまう。

人口データを見ても初期の盛り上がりからして控え目に終わりすぐに低迷状態に。そうなると売り上げも伸びないから開発も進まず。話ではコンソール展開で活路を開こうとして売り込みに回り契約までこぎ着けたそうなのだがコロナの影響で破棄されてしまい万事休す。給料が払えなくなって社員もいなくなりCEO一人だけに。そこからは90%オフで投げ売りしたり、Discord時代のバージョンを『Last Year: The Nightmare』のタイトルで別にストア頁を設けて定価販売したり(助ける気がある人はこれを買って寄付して欲しいの意味合い)となりふり構わぬ行動を採っていたが遂には倒産。セーブデータは運営側保存の常時オンライン形態なので以降はゲームを起動する事も出来なくなった。

だが2023/05になって基本無料のタイトルとして突然のストア復活。ゲームのファンだった有志達が設立したらしいUndaunted Gamesがゲームの版権を獲得して、開発の続行と共にストア上でもプレイが可能にされた。


ところが2024/03時点での状況なのだが雲行きが怪しくなってきている。計画ではゲームをUnreal Engine 5へと移植して実装されずに終わっていたChapter 2を追加するという話だったのだが、Undaunted Gamesからは別のタイトル『Forest Hills: The Last Year』を有料作品として販売する事にしたという件がアナウンスされている。世界観や基本システムなどは同一でキャラクターなどにも共通性はあるが、舞台をアウトドアの森へと移して墓場等のマップを含んでいるという内容。

この路線変更には賛否は有るがどちらかと言えば不満が多目で混乱している状態。「基本無料ではなくなるのは反対」, 「初期のファンからすると定価で購入したのにChapter 2は実装されずに終わり、それでまたCH2を別ゲームだとして金を払わされるのか」, 「基本の設定は高校内の出来事なので他のロケーションに舞台を移されるのには反対」等。有料作品と無料枠品に分かれるなら開発に力が入るのは当然有料作品の方であり、そうなるとこの『Last Year』のCH1の方が好きだからこちらをグレードアップして欲しいというファンには好ましくない流れとなる。

https://gtm.you1.cn/storesteam/app/2864310/Forest_Hills_The_Last_Year/
Posted 1 June. Last edited 1 June.
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0.2 hrs on record
ゲーム全編を通して腸内を内視鏡視点で探索するという非常に特異な設定のホラー(“colon”とは結腸の意味)。主人公は内視鏡治療の世界的な権威で、彼が5人の患者を順に診察する5日間を描いている。グラフィックスはPSX(PS1)スタイルを採用。日本語対応しており一部変な所も有るが機械翻訳では無くまともな部類。

ゲームプレイはシンプルで、移動は前後左右に上下(QとE)を加えた物。設定的にルートの分岐も無くただ前へと進めるのみで、後は5種類のツールを切り替えて各種の治療を行うだけである(なお医学的なシミュレーターとしてリアルという訳では無い)。操作等のアクションにスキルが必要では無いし、リソース管理やパズル要素も無し。おそらくだがゲームオーバーも無い。よってかなり作業感が強いゲーム性となるが、そこにホラー要素を絡めて面白さ(怖さ)を出そうというのが狙いとなっている。

各患者共3マップ構成でそれ単位でのオートセーブ方式(チャプター選択は不可)。全員の治療を完了させてグッドエンディングを迎えるのに2時間半程度のボリューム。治療を完了せずに先に進める事も可能なのでそうするならばもっと早く終わる。成功と失敗に応じて各患者の治療後に語られる後日談が変化するというシステム。

評価出来るのはやはりその突飛なアイディアで、体内に入り込んで病原体と戦うといった設定は他ゲームにも存在しているが、内視鏡での探索というのは奇抜だしホラー物としてもユニークである。よって大量に溢れかえっている定番のホラー物に飽きている人には新鮮に映るだろう。それと主人公は“現場”の外に居る為に命の危機感的な怖さは薄いのだが、その代わりに「気味悪さ」や「気持ち悪さ」を押し出したホラーとなっておりその意味でも変わっている作品。体がゾワゾワする様な感覚が好みという方にお勧めしたい。

欠点は全体の構成で、まず最初の患者は普通の治療であってチュートリアル的な内容となりホラーでは無い。2番目の患者の依頼は特異な内容ではあるのだが、これも現実的な治療の範囲内であって異常感はあるがホラーと言うのとは違う。そしてリアルさを離れたホラー展開となるのは3番目の患者以降という形になっており、ホラーとなる割合が全体の3/5だけという所が残念。1,2番目だけで1時間程度を費やす為にここは作業感の方が強く出てしまっており、最初か2番目の患者をチュートリアルと位置付けてその後にホラー展開の患者を5人揃えるという構成だったら遥かに良かったのにと感じられる。後はラストの患者はそれまでとは路線が異なった内容で意外性を狙ったと思われるのだが、個人的には外して失敗してしまっているという感想で3,4番目と同じ方向性で行くべきだったのではないかという意見である。


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Posted 15 March.
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1.2 hrs on record
表現規制に関して

まず基本としてこのゲームは2006年にXbox 360用として発売されたのだが、その際に日本版では残虐な表現の規制が行われていた。それが2016年にPCでもリリースされる事になり、グラフィックスのアップグレードの他に表現規制の方も解除されて全世界と同一の内容になっている。ところがその撤廃されたはずの表現規制が元に戻ってしまっているという情報を目にして気になったので調べてみた。

SteamDBを参照してみると、確かにPackagesの箇所にてSubIDにグローバル版(日本以外の全世界版)とは別に日本だけで販売されている物の登録が確認出来る。アップデート履歴を参照すると2023/06/26に以前の物の販売が停止させられており、これはニュースにもなった「諸般の事情」とされて説明が無いままに短期間ストアで販売停止になっていたタイミングと一致する。現在日本ストアからカートに入るゲームのバージョンのSubIDを確認すると(916228)で、これは上記の日本のみに販売されているバージョンである。
https://steamdb.info/app/427190/subs/


自分の所持している物を確認して見ると、数年前にインストールした時点から全てのファイル日付は何も変わっていないし、オンラインで起動してみても何も更新されない(Steamではインストール済みのイメージをコピーする方式なので、個々のファイルやフォルダが実際に作成・更新された日付では無く、全てインストールを実施した日時になっており以降更新があれば変化する)。またレビュ欄には「今買うと規制版になる」というコメントが見られる。

だとすると上記の切り替え日以前に購入しているケースではそのまま規制無しの全世界共通版の所持状態が維持されて(あえて規制版へのアップデートは行われず)、2023/06/26の切り替え後に買った物は内部ID的には別扱いの規制有りバージョンとなっている可能性が高い。なお一度アンインストールしてから再インストール後にプレイにて確認してみればハッキリするが裏目に出ると面倒なので試していない。もし切り替え日前に購入している&切り替え日後にインストールしている状態でプレイしてみて、それで規制無しが確認出来るのならばこの推測は正しい事になる。

その場合に無規制版の入手方法だが、現在では海外のSteamキーの販売ショップでは日本IPからだとゲームの表示自体が行われないか、表示されても日本ではアクティベート不可の記載ありの状況。よってそういったキーを買って登録するには難易度が高いし危険も伴う。

一方でレビューには「過去のバージョンを落とせばOK」という記載も有るのでその方法は可能な様だ。Steamではゲームの過去のバージョンを落とす方法があるのでそれを使う(特定のバージョンでしか動作しないModでプレイしたい, 以前のバージョンの方が良かったといった際に利用される)。ただしSteam側がそれをOKとしている訳では無い為に推奨出来る方法では無いし、以前のダウンロードのやり方が不可にされる事も有って現在でも使える方法を探さないとならない。それと人によっては手順が難解だと感じられるかも。

注意すべき点としてCapcomはセーブデータでリージョンチェックを行うケースがあり、改めて入手した無規制版でのプレイなのだが、規制版でのプレイ時に作成していたセーブデータを用いると無規制にならない(or読み込めない)という可能性もある。


付記: 切り替え前に無規制版を購入しており、切り替え前にインストールされたデータの状態になっている方は、将来も規制版へのアップデートは実施されないとは限らないので今の内にプロパティより「ゲームファイルのバックアップ」を行って備えておいた方が良いだろう。
Posted 26 February.
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1.0 hrs on record
フランスのゲーム開発者養成スクールRubika Supinfogameの学生チームによる作品。2022年にIndependent Games Festival(IGF)の「学生制作部門」でグランプリを受賞している。無料公開作品で30分~1時間程度のボリューム。

プレイにはコントローラー必須(キャラクターの操作にコントローラーの操作感が密接な関連性を持つ)。

ファンタジー世界を舞台にした3Dプラットフォーマー。進行ルートを作る為に多種のパズルを解きながら障害を突破していく。探検家の両親が帰宅せず、2人の子供達が後を追って探索の旅に出るというストーリー。

最大の特徴は一人称でも三人称でもなく“2nd person adventure”と銘打っている所。「二人称操作」とは何かと言えば、プレイヤーが操作する方のキャラクターはカメラを所持しておりプレイ中はずっとこれを通して世界を見る形になる。相方のキャラクターはこのカメラを通して左スティックにて動かし、ジャンプなどの操作もプレイヤー操作の別キャラクターの視点を介してになる事から二人称という意味合い。すなわち自キャラは一人称, 相方キャラは二人称操作という設定になる。

プレイヤー自身は通常右スティックでの操作になるが、フリーモードに切り替える事で移動と視点を自分のキャラだけの操作にする事も可能(パズルを解くのに必要)。2人キャラクター操作という面ではやはり『Brothers - A Tale of Two Sons』が連想されるが、あちらは外部視点から2人を動かすという形だったのに対し、このゲームでは自分自身のキャラクターが移動する事でカメラ視点の位置を自由に動かせるし、自分のキャラクターをどこに位置させるのかがパズルを解く上で重要になったりと大きく異なる。

なお三人称視点と二人称視点は何が違うのかと言えば、三人称視点はカメラがゲーム世界の外に在るので、そのカメラ位置と世界内のキャラクターの行動には関係が無い。対して二人称視点ではカメラがゲーム内世界に居るキャラクターに置かれている為に、カメラの位置はそのキャラクターの移動範囲内に制限される。具体例としてプレイヤーキャラAは相方キャラBが見える位置に居なければBを操作出来ないし、Aがプレッシャープレート等に乗っていなければならないケースでは視点がそこに限定されてしまうといった制限が生じる(つまりはそれを解決させる方式のパズルが作れる)。

物凄くという程ではないにしろこのユニークな操作感覚とパズルの解法により高評価されていると言える。グラフィックスのレベルは高いしちゃんとしたボイスも実装されているなど、全体的なクオリティは優秀で推奨出来る作品。
Posted 24 September, 2023.
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1.5 hrs on record
ギリシャのTzavis Studioのデビュー作。V1.5.0での評価。

まず日本語に対応はしているが質が良いとは言えないレベル(機械翻訳ほど酷くは無い)。“close”「閉じる」を「近い」と訳したりなど単純なミスも多い。(ストアの記載でもハッキリしていないが)主人公が兄なのか弟なのかは文によって記述にブレ有り。またフォントの問題で表示が重なって読み難くなってしまったりも発生する。

主人公ジョナサンは運転していた車での事故の際に炎上する車から逃げ出せたのだが、兄弟のクリスチャンは助け出せずに彼の目の前で焼け死んでしまう。それを自身の罪だとして悩み追い詰められたジョナサンは自ら命を絶つが、死後の世界で目覚めた彼はそこで再び兄弟の死と向き合う事になるというストーリー。

ホラーだとされているがハッキリ言ってホラーとしての出来映えはかなりの低評価になる。ジャンプスケアを多用しているがビジュアル的にも怖さがまるで無いし演出自体も陳腐。発生のタイミングとかもありきたりで予想が付いてしまう。また暗い場所が多いだけで雰囲気面でも怖さは感じられない。よって怖さを期待している人には全くお勧め出来ない作品である。

だが異世界(悪魔の居る世界)をパズル(アイテム探しが主)を解きながら彷徨い歩くナラティブな作品として見るなら悪くない。「悪魔の書」と呼ばれる書物が中心的な役割を果たしており、プレイ中は常にヒントとしてこの書を参照する様に勧められる(中身から一部の文章が表示される)。“悪魔”とあるが邪悪とか異端な内容ではなくキリスト教(イエス・キリスト)に関連した文面で、ゲームプレイの方もそのキリスト教的な世界観に沿っている。私自身がキリスト教に詳しくないというのもあって説明し辛いのだが、自身の罪だとして苛まれるジョナサンが「本当にあの出来事は自分の罪なのか?」を判断する為に様々な体験に向き合うといった内容である。

キリスト教徒が多い欧米圏のプレイヤーがどう感じるのかは解らないが、よく知らない身からするとかなりユニークな体験という意味では印象に残る(ストーリー面ではという意味で謎解きのゲームプレイは普通)。例えば各実績の説明を読んでみてもこれが風変わりな作品なのは想像出来るだろう。よって個人的にはナラティブなゲームという件を前面に推し出してホラー要素はあまり強調しない方が、売れ行きや評判という観点からすると良いのではないかと思える。

追記: キーの割り付け変更が出来るのは親切。またオートセーブ地点を履歴として残してくれるので、マルチエンディングのもう片方を体験するのにも簡単となっている。Useの対象物を指すとカーソルが変化して教えてくれる仕様だが小さく薄い表示なので見辛いという欠点もあり。マウス感度も調整内では低い範囲に設定されている。

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Posted 24 September, 2023. Last edited 24 September, 2023.
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0.5 hrs on record
Early Access Review
2023/08/22 時点のバージョンでの評価。

現在早期アクセスで今後2つのチャプターを追加する計画になっており価格もそれに伴い上昇する予定。

現段階では評価が困難なので一応“Good”にしておいたが、完成版になった際に改めて評価をしようと考えている。

その理由は、ストアの説明にはステルスで行動するサバイバルホラー, ストーリー重視などと宣伝されているのだが、実際には現在のバージョンは単なる迷路ゲーである。キラーが追ってくる中を迷路の出口を探して逃げ回るというゲーム性が30分ほどずっと続くのみのアクションホラーゲームであって(ロッカー等に隠れるという事は出来ない)、上記の様なコンテンツはまだ存在していない(ストーリーも数枚ドキュメントが入手出来る程度)。よっておそらくは宣伝通りのコンテンツが盛り込まれるのであろう完成版にならないと評価が出来ないという意味合いである。

狭い通路で繋げられた迷路なのだが、壁面に変化が無い&種類が少ないオブジェクトが繰り返し大量に配置されているだけなので、目印が付けづらく構造の把握が困難である。記憶して動くというよりも迷っている内に偶然辿り着いてゴールといった感じになりがち。逆にアウトドアで追われるパートでは簡単過ぎて問題有り(正確には迷路では無いがゴールを探して逃げまわるというのは同じ)。

インドアパートでは、キラーはそれほど速くない(こちら側も短時間スプリントは可), 一撃死ではなく逃げれば自動回復する, 体の衝突判定が無いので突っ込んで行って回避(透過)も可能となっており、逃げる難易度はそれほど高くない為に難易度バランスとしてはまとも。チェンソー音を頼りにしながら逃げる恐怖感もそれなりに出ている。個人的には迷路内を逃げるという内容を採り入れるのならば、はるかに解り易い見た目や構造に変更して代わりにキラーの能力をアップさせる方が面白くなる様に思える。

以上の様な中身なので「単に迷路内を逃げ回るアクションホラーである」という点を理解してそれを面白いと感じる人以外は、今後のアップデートで記載通りの内容に変化したのを確認するまでは保留しておいた方が良いだろう。あるいは価格は120円と安いので見た目の雰囲気が気に入ったのならば今から支援するとかになる。

サウンドのボリューム, マウス感度, 明るさ調整等を含めて設定関連は何も無し。ESCを押下するとメニューに戻らずゲームが終わってしまうなどI/F関連も非常に原始的。ただしチェックポイントセーブは既に実装されている。

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Posted 22 August, 2023. Last edited 22 August, 2023.
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0.5 hrs on record
元は2017年にあるアドベンチャーゲーム・ジャムにて公開されて評判を得た作品。その後アップデートを重ねてフルボイス化されたりと拡張しているがフリーゲームなのは変わらず。2021年にSteamでもプレイ可能になった。

主人公がビジネスパートナーの家に訪問したところ、当の主はフクロウの頭部を持ったモンスター(悪魔)であった。同居している家人達もその異変には気付いているのだが、フクロウの当主の能力によって家から脱出する事が出来ない。そこで主人公は自らも含めて家から脱出する方法を探るというストーリー。

アドベンチャーゲームではあるのだが、ロケーションは3箇所だけでインタラクト出来るアイテム類も少しだけ。会話選択肢はあるが複雑な分岐をする訳では無しと構成は非常にシンプル。実質「脱出方法」を発見するだけというゲームであり、その謎解きに特に詰まらなければ20~30分程度の短編になっている。セーブスロットは10個でいつでも自由に行える。

システムの特徴はタイムループを採用している所で、失敗した際には完全に一からやり直しでは無く“第X夜”というカウントが+1され、また訪問時点に戻されて始めのセクションからとなるループ構造。だが主人公はこのループをゲーム内世界にて認識しており、それを利用して目的を達成するというタイプの謎解きになる。

ただどちらかと言えば謎解きのクオリティよりは、奇抜な敵のデザイン, グラフィックスの独特な味, 奇妙でシュールな雰囲気, 不気味なBGMが多数, 謎のイベント、と言ったユニークさによって知名度を上げたゲームであり、見た目の雰囲気を気に入ったという方にお勧めしたい。

日本語対応では無いが文章量は少ないし平易な内容なので英語に強い抵抗感を持っていないならば大丈夫だろう。
Posted 1 December, 2021.
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4.3 hrs on record (1.1 hrs at review time)
2020/09にフリーゲームとしてリリースされたが、高評価と大きな人気を得た事から本格的な制作体制へとシフトすると共に有料化されている。

逃走型のホラーゲームで、プレイヤーはヤンデレのサイコちゃんから逃れて校舎から脱出するのが目的。扉を開くには4桁の暗証番号が必要でこれは4つの教室内の黒板に分けて書かれている。鍵を見付けながら順次教室を回って番号を探る事になるが、校舎内の電源がオンになっていないと数字が読めないので、敵にオフにされたら電力室へと繰り返し訪れないとならない。

現バージョン(Alpha 2.1.2)ではこの標準モードが難易度2種。他にチュートリアル的な位置付けとされる昼間設定のヤンデレモード(本編主人公の友人としてプレイする)、夜中の高難易度ヤンギレモードが用意されている。

Alpha 2.0にて校舎は作り直されたし、日本語の黒板や貼り紙等のテクスチャーもちゃんと用意されてはいるが、廊下の幅が広過ぎるなど構造のリアルさレベルはそれ程でも無い。全般的にグラフィックスの方は現状ではクオリティは高くなく改善はこれからだろう。日本語対応しているが翻訳の方はまだ途中で怪しさも目立つし、サイコちゃんのボイスは日本語だが明らかに日本人では無く台詞は妙な感じである。操作やサウンド等の設定項目関連もまだ無しという状態。

一般的にこのタイプのゲームでは「如何に逃げ回るプレイヤーを怖がらせるか」, 「逃走をスリリングで緊張感に富んだものにするか」がポイントだが、この作品が成功している理由はそれ等とは別のユニークな手法を採った事にある。追っ手のサイコちゃんはヤンデレでプレイヤー(主人公)の事が好きなので、プレイヤーを発見したら全力で殺しに掛かる一般的なホラーの追っ手とは異なり、むしろ一直線に殺しには来ないというゲーム性なのが特徴。

ヤンデレモードとヤンギレモードが随時切り替わるというシステムで、ヤンデレモードの際には攻撃的では無い。主人公を発見したら常に襲って来る訳では無く、隠れながら距離を保って付いて来たりする。教室内の主人公をガラス越しにじっと眺めていたり、扉の外で待ち伏せしている事もあり(待ち伏せ攻撃は他でも使われる)。教室内に入って来ても扉の鍵を閉めてからジワジワと距離を詰めて来るなど直線的には追い掛けてこない事も。また主人公を捕まえても攻撃してくるとは限らず、話し掛けてくるだけとか、アイテムをくれるとか、気絶させてから別の部屋に連れて来てかくれんぼを始めたり等。

基本的にはステルスで回避するが、HP制で攻撃を受けても常に即死する設定では無く「一撃死攻撃も中にはある」というデザイン。回復や防御アイテムも有り。ある程度攻撃するとヤンデレモードに切り替わるので逃げるチャンスを得られる, ロッカー内に隠れられる, 突き飛ばして逃げられるといった救済システムも有り。

このゲームの一番の面白さとは「サイコちゃんが見せるヤンデレとしてのプレイヤーに対する多彩な行為」であり、アップデートの方も現段階では「その行動パターンを増やす」, 「AIを複雑化する」という点をメインに進められている。逃走型ホラーゲームは終始緊張感を要求されるのでホラーゲームファンの中でも好みが分かれるジャンルだが、この作品では敵が見せる意外なアクションや反応を楽しめるという面を持っているので、同ジャンルが苦手という方でも楽しめる可能性はあり。

現時点ではフリー版時代のバージョンがitch.io等からまだダウンロード可能である(標準モードのみをプレイ出来る)。
https://habupain.itch.io/saiko-no-satuka
Posted 19 May, 2021.
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6.8 hrs on record (1.3 hrs at review time)
内容のレビューでは無く日本語ユーザー向けに幾つか。
V1.04(2020年1月31日リリース)での状態。

・仕様なのかは判らないが、私の場合は初回起動時に中国語にて起動された(プロパティに言語タブは無し)。この場合言語設定に至るには、トップメニューの上から4番目をクリック → 次の画面で上から3番目をクリック → 次の画面にて2番目が言語選択ボックスになっているので日本語を選択すればその場で変更される。

・会話の字幕は日本語と英語が上下に並んで並記される。意図的なものなのかは不明。

・TABキーでインベントリー画面となるが、ここで日本語設定だとフォントの問題で2つの大項目(タブ)が重なって表示されてしまう。最初のアイテムタブ以外にもう一つ隣にファイルタブが有り、A&Dキーにてタブの移動が出来る。

・ストア頁には「日本語テキストに関しては調整中」の文字があるが、上記の様な件や一部フォントの違い(日本語の字体では無く中国語(or広東語?)の字体のまま)が有るだけで、翻訳文の方は機械翻訳などでは無く自然であり少なくともCH1においては違和感なくプレイ出来た。

(21/05/17追記) クリアしたが後半部分は翻訳精度が劣っているという印象。なので「調整中」とは、日本語翻訳をより精度の高い物へと見直し中だが、最初のパートから始められているその作業がまだ最後までは至っていない、という意味ではないかと思われる。なお上記の様にこのゲームでは日本語訳と英語訳が同時表示される仕様なので、日本語役で意味が取り難ければ英語訳の方を参照するという手もあり(英語翻訳の精度は不明だが)。


ついでに一般的な仕様。

解像度:4K対応 垂直同期設定○ 画面モード3種:排他的フル, ボーダーレスフル, 窓化
操作キー変更× マウス感度設定○ マウス反転○
明るさ調整○ FOV変更×
Posted 24 January, 2021. Last edited 16 May, 2021.
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