STEAM GROUP
Game Reviewers(JP) GRJP
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59
IN-GAME
508
ONLINE
Founded
30 September, 2012
Language
Japanese
Location
Japan 
yamaneko 16 Jul, 2019 @ 5:55am
【レビュー】The Sinking City
おススメします

Frogwaresが開発したミステリーアドベンチャーゲーム。
元海兵で現在は探偵のチャールズ・リードは自身を悩ます
幻覚症状の原因を突き止めるため、"水没した街"という
オークモントで怪事件を追いながら答えを探す…。
Epic版で全クエスト・エンディング達成まで遊んでの感想。
日本語は発売直前に対応言語から外された。

奇妙な世界
洪水で街の半分が水没しており、あちこちに腐った死体が
転がっている。そんな中を住人である魚面の人種や全身に
粋なタトゥーを入れた人々が真顔で通り過ぎていく。
物音に気付いて見てみれば飢饉で恐喝が行われていて、
その傍らでは空を見上げながらブツブツと意味不明な事を
言い拳銃を頭に押し付けて自殺しようとする者もいる…
そんな奇妙な光景がこの街の終末を予感させる。

クトゥルフ神話
H.P.ラブクラフトの作品から影響を受けており、ゲーム内には
クトゥルフ神話に関係するものが登場する。封印されし者、
ダゴン教団、石造都市…離れて見ればまともなオークモントの
裏に隠された真実に向かって物語は少しずつ進んでいく…

楽しい探偵パート
本作はプレイヤー主体の探偵ゲームである。それはつまり、
任された事件の情報は自分で集め、必要な資料は検索し
時系列で推理、犯人を追跡の上最終的な判断をする。
このシステムは同社の「シャーロック・ホームズ 悪魔の娘」を
プレイしたことのある方なら理解が早いだろう。ただ、こちらは
目標のHUDなんて親切なものはない。進展があったらその度
に自分で地図にピンを指すのだ。古風で面倒臭く感じるかも
しれないが、それが逆に探偵やってるという感じにつながって
楽しい。

地味な戦い
雑魚は不規則に左右へジャンプするので銃で狙いにくい。
罠だと一撃だが、癖のある設置と範囲の狭さ、自分も罠に
かかる仕様で微妙。序盤は素材が少ないので常に弾薬が
不足した状態になるところも面白くない。結果的に敵が出現
したら狭い通路に戻って罠を設置し、ジャンプ後の僅かな隙
をハンドガンで狙っていくという地味な作業になっている。

物足りないスキル
戦闘、キャラ性能、クラフトの3タブ分のスキルで構成されてい
るが、どれも効果を感じにくい。振り返ってみると戦闘とクラフト
だけあればいいかなという感じだった。海を泳ぐこともないのに
"吸血ウナギからのダメージを減らす"なんて誰が使うの?

雑な作りのオープンワールド
街の大部分がコピペで済まされている。つまり、まったく同じ作
りの建物に何度も遭遇する。クエストで行く場所の間に何も
ないと寂しいからという感じで配置したんだろう。そのせいで街
は無駄に広くなっている。全体の7割は走ることになるので、
そこは面倒臭かった。

開発者インタビューとの違い
インタビューでボス戦はあるかの質問に"はい"と答えているが
実際はほとんどありません。タコ頭のコウモリに向かって下唇を
噛みながらランボーみたいに短機銃を連射なんてありません。

救いのない結末
3種類のエンディングどれもバッドエンドに近い。言葉で表現す
ると、宿命・自滅・逃亡という感じでもう一つ抗うを追加しても
よかったんじゃと思った。せっかく武器をもっているのだからさ。
でもその道の人から神に人間ごときが勝てると思うか?と言わ
れそうなのでそこは強く言えない。セガールなら

総評
探偵ゲームとクトゥルフ神話がうまく混ざり合って楽しめた。
メインは探索と推理であり、戦闘やオープンワールドに過度に
期待すると肩すかしを食らうので注意が必要である。